「講話」〜キャンプファイヤー・キャンドルの集いを

成功させるために〜

みなさんがキャンプファイヤーからイメージすることは?

  キャンプファイヤーの広い意味は、キャンプ生活で使われるすべての火のこと!

 @炊事をするための火

 Aゴミなどを処理するための火

 B蚊など害虫をいぶしたり、動物から身を守るための火

 C寒さを防ぎ、体を温めるための火

 D物を干したり、乾かすための火

 E明かりとしての火

 F儀式として行われる火

 G団欒や親睦のための火

 H合図(サイン)としての火

  など、いろいろあるが・・・

  一般的にキャンプファイヤーとは、友情を深めるための団欒、親睦または儀式を行う

  ための火をいう。


子ども会で行うキャンプファイヤーのねらい

  @キャンプ生活の夜間プログラムの楽しさを与える。

  A火を扱うことにより、安全教育が行われる。

  B班や子ども会の精神を高揚し、各個人の持ち味を生かす。

  C日常生活では学べない、火の神秘さを知る。


 1.キャンプファイヤーってなーんだ?

  親睦、団らん、儀式のため、みんなで火を囲むひと時です。

 キャンプで生活した仲間たちと炎を囲み、スタンツや歌を楽しみ友情深め、また、炎に

  心を一つにし、自分をふりかえりつつ語り合うひと時は、深く感銘を受けます。

 ○参加者の親睦を図り、親睦を深める。

 ○スタンツ、歌などのレクリエーションを通して、楽しさを共有する。

 ○参加者の緊張を解き、スムーズに集団活動が送れるようにする。

 〇これまでの活動を振り返り、友達、奉仕、協力などの大切さを印象づける。

 ○火を囲んでおごそかな(儀式的な)雰囲気を味わう。

 2.キャンプファイヤーの種類

 内容による分類

 @儀式の火:セレモニアル・ファイヤー

  おごそかな雰囲気の中で、ファイヤーのオープニングやクロージングの儀式として行い

    ます。このような形式をとることでとても感動を受けます。

 A親睦の火:ボン・ファイヤー

    祝いのかがり火という意味で、歌やダンス・スタンツなどをして、仲間との親睦を図る

    目的で楽しい夜を過ごすために行います。 

 B団らんの火:カウンシル・ファイヤー

     班ごとの少人数で、形にとらわれず、体験発表、意見交換、講話などアットホームな

    雰囲気の中、班員の交流とコミュニケーションを目的としています。 

 3.キャンドルファイヤー(キャンドルの集い)は?

   ・寒い季節や雨、強風などのためにキャンプファイヤーが行えないときや、研修会最終

     日、クリスマスの集いなどで行われます。

 ・プログラムや役割、内容などはキャンプファイヤーとほぼ同じ。

 ・ろうそく、アルミ箔、トーチ、シート、キャンドル台などを使用。


 4.キャンプファイヤーの場所

  @排水がよく、湿地でないこと。

  A周囲が樹木に囲まれ夜空の眺めが良いなど、心が落ち着くところ。

  Bキャンプサイトからあまり遠くないこと。

  C風向きに気をつけ、近くの樹林に火が燃え移らないところ。

  Dゲームやおどりをするので、十分な広さがあること。

  E消火のために近くに水道などがあること。

 
 5.キャンプファイヤーの薪の組み方

 @ピラミッド型

 

  A井桁(いげた)型


  @のピラミッド型とAの井桁型を組み合わせた蒔組み 


 B上から火をつける組み方(写真参考)

   燃えカスが途中に溜るので、上からゆっくりと燃える


 6.点火の仕方

   (1)    トーチ(たいまつ)点火方式

    一般的な点火方法

   (2)    マジック点火方式

           電気    空中落下   薬品(火薬)など

      雰囲気を盛り上げたり、感動をあたえる点火

   (3)古代人的な点火

     火打石、火起こしなどで点火


 7.キャンプファイヤーの役割分担

 @営火長(火の長):ファイヤーチーフ

     キャンプファイヤーにおける最高責任者(キャンプ長)で、キャンプ経験が豊富で年長

     者や人格がすぐれた人、全体を監督する人がなります。

  点火の宣言、開会閉会のことば、各係を支持したり全体を掌握します。


  A司会者・進行係:エールマスター

    キャンプファイヤーの司会進行をする人で、歌やゲームの指導がうまく、参加者の雰囲

     気を受けて、臨機応変にプログラムをすすめられる人がなります。

 Bゲーム係:ゲームリーダー・ゲームマスター

     エールマスターだけでは、単調なキャンプファイヤーになるので、3〜5人つくり、プロ

     グラムに沿ってゲームをする役目です。

 C営火係:ファイヤーキーパー

     キャンプファイヤーの薪の準備から後片付けまでをする役割の人です。プログラム中

     は進行や演出を考えて、炎の大きさや明るさを調整します。

7.キャンプファイヤーのプログラム

 (1)プログラムの基本

       □キャンプファイヤーはキャンプ生活を共にした全ての者のためのものです。

       □見るプログラムではなく、参加するプログラムです。

       □一人際だったワンマンショーやスタンドプレイならない種目を設定します。

       □内気な参加者の隠された技能をひきだすようなものにします。


  (2)キャンプファイヤーの構成<活動の流れ>(例)

        ★儀式の火(セレモニー・ファイヤー)

     @全員入場(静かに入場)

     A全員合唱(夕暮れ時にふさわしい歌を)♪遠き山に日は落ちて♪など

     B営火長入場

        (「火の神」にふんしたファイヤーキャリアが サークルの内側を 一周、営火長わき

          で待機)

     C営火長のことば

     D進行係(エールマスター〕の合図で、「火の神」がおごそかに点火する。

     E全員合唱(調子がよく、明るい歌)♪燃えろよ燃えろよ♪など


           ★親睦の火(ボン・ファイヤー)

       楽しく歌う、楽しくゲームやダンス、スタンツなど

 プログラムの留意点

  @参加者の心構え

   ・場面にふさわしい行動をとる。歌、スタンツなどは練習して参加する。

   ・楽しいのがキャンプファイヤーだが、楽しいだけではキャンプフイヤーではない。

  Aプログラム構成

   決まった形はない。行おうとするキャンプファイヤーの目的を考え、場面をイメージ

   しながらプログラムを作る。

  Bソング

   歌詞を見なくても全員が歌える歌をとり上げます。

   新しい歌は短く簡単に覚えられるものを選びます。

  Cゲーム

   動作が大きく愉快で、声を出すものをとり上げます。

   座席の移動は混乱の原因となるのでなるべくさけます。

  Dダンス

   円形のまま踊ることができるものをとり上げます。簡単な歌の素朴な振り付けをする

   のも楽しいものです。

  Eスタンツ、スキッツ

   自分たちの発表をみんなに見せて楽しませる。

   エールマスターが時に応じてキャンパーを指名してインスタントに演じてもらう演技を

   スタンツといいます。

   キャンパーが創作・出演し、演じられる寸劇をスキッツといいます。

   ・歌をする場合→動きを入れる。ミュージカル風。

   ・クイズをする場合→言葉だけのやりとりに終わらない。大きく動きを入れる。

   創作劇の作り方

   @題材選び

   A起〜登場人物、場の説明
                       承〜背景、日頃の行動
                       転〜事件。変わったこと
                       結〜話の結末起承転結を考える

   B演技、台詞を考える

  

   大きな動き、大きな声、真剣な演技が大切、

   恥ずかしがりや笑っていては、観客はおもしろくない。


   ★おわりの儀式(セレモニアルファイヤー)

   @全員合唱(静かな心や休まる歌を)

         ♪今日の火はさよなら♪

   A代表者の話(3分程度の民話や感動的な話しなど、少し教訓的なものを)

   B詩の朗読

   C分火(参加者のことば)

     D退 場




〜キャンドルの集い〜 

 キャンプファイヤーが雨や強風のため行えない時や、寒い季節や研修会の最終日、クリスマスの集いなどで行います。


1.キャンプファイヤーとの違い

  屋外でのキャンプファイヤーの大きな炎のような雄大さはありませんが、キャンドルの

  光は人の心を洗うような澄んだ輝きがあります。

  この光は、厳粛で神聖な雰囲気をつくるのには、キャンプファイヤー以上の効果があり

  ます。これまでのプログラムを静かに振り返るよい機会となります。

  ・屋内での実施のため気象条件に左右されない。  

  ・設営の負担が少ない。

  ・声も通りやすく、参加者の集中を保ちやすい。  

  ・全員に分火しやすい。

  ・キャンプファイヤーの荒天時の代替プログラムになる。

  ・危険度がすくない。

2.役割の配置

  ・火の長  ・火の女神  ・司会者  ・栄火係  ・機器係  ・準備係

  ・後始末係  ・救護係  ・救急係 など


3.準備

  (事前準備)

  ・ねらいの設定とそれに基づくプログラム作成

  ・引率者および参加者の役割分担

  ・当日の必要物品準備および会場設営

  @    準備するもの

  ・ライター  ・アルミ箔  ・ろうそく(大・小)  ・火の女神衣装

  ・キャンドル台  ・女神用トーチ  ・シート  ・音響機器  ・懐中電灯

  A    キャンドル台の設置

    シートを中央に敷き、その上にキャンドル台を置き、ローソク(大)を立てる。

  B    音響機器の設置

    ラジカセ CD アンプ マイク 延長コード

  C    ローソク(小)を人数分準備し、アルミ箔でロウ受けを作成する。

  D    カーテンを閉める。


4.実施上の留意点

 ・何のために、どのようなねらいで行うのか、引率者全員の共通理解が必要です。

 ・火災や火傷防止のため、火の取り扱いには十分気をつける。

 ・他の部屋を利用している団体があるときは、配慮をする。

 ・1時間半以内に終了する。

 ・終了後、ロウが落ちていないかどうか確認する。

 ・引率者ばかり盛り上がってもいけない。

 ・参加者主体のプログラムになるように演出に工夫する。(ただし、参加者にすべてを

  ゆだねたり、押し付けてはいけない。)


5.手順例

 ねらい:参加者相互および参加者と引率者の親睦を図る。

 展 開:1時間半

 ◇第1部◇

  はじめの儀式 (セレモニアルファイヤー)

   @照明を消す。    

  A厳粛な雰囲気の中で、キャンドルトーチを持った女神

   が入場する。

  B女神は、輪を一周しトーチを火の長に渡し、静かに去る

  C火の長は参加者へ話しをした後、班長のキャンドルに分火する。

  D班長は、班員に誓いのことばを述べさせながら、分火したあと、キャンドル台の

   ローソクに点火する。。

   E全員合唱 ♪遠き山に日は落ちて♪など

 ◇第2部◇

  交歓の集い (ボン・ファイヤー)
 
  @    照明を明るくする。

  A    キャンドル台は、ロウソクの火を消し隅へ移動する。

  B    はじめの部分は、気持ちや身体をほぐすような動作のあるゲームやスキンシップ

         のあるゲームがよい。

  C    中ほどでは、参加者による出し物を軸にして、歌やゲームを取り入れて雰囲気を

          盛り上げる。

  D    全体の3分の2ほど進んだところで、最も盛り上がるようなダンスやゲームをもって

         くる。

  E    終盤は気持ちを静めていく。

◇第3部◇

  おわりの儀式 (セレモニアルファイヤー)

    @    キャンドル台を中央にセットし、火をともす。

    A    照明を消す。

    B    参加者全員にロウソクを持たせ、キャンドル台の火を火の長から班長へ、班長

           から全員へ分火していく。

    C    代表者が心に残るような話をしたり、詩を朗読したりする。

    D    全員合唱 ♪今日の火はさよなら♪など

    E    静かに火を消していき、最後にキャンドル台の火を消す。(火は危険でない方法

          で消す。)

   今日の仕事分担

   ・司会進行(1名) 《リハーサル、進行》

   ・はじめの言葉(1名) 

   ・女神(1名) 《衣装、トーチ作り》

   ・ゲーム(2名) 《二つほど》

   ・歌(2名) 《歌の練習指導も含む》

   ・ダンス(2名) 《ジンギスカンの指導》

   ・終わりの言葉(1名)


 これからの活動内容

   @分担した各自の仕事20分       16:00〜16:20

   Aスタンツ作り、練習(班)55分    16:20〜17:15

   B歌の練習(全体)15分        17:15〜17:30

   Cキャンドルの集いリハーサル30分   17:30〜18:00

   Dキャンドルの集い           20:00〜21:30


キャンプファイヤーの炎は友情の炎です。

静かに赤々と燃え上がる炎は、みなさんの情熱であり,明るい未来を表してい

ます。

 そして、大きな夢に向かって進んでいく

みなさんの力です。そんな力が光り輝きながら友情の絆をさらに強くするこ

とでしょう。

 今夜は、みなさんの心を一つにしてキャンドルの集いを成功させましょう。


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