「講話」〜集団指導者としての役割と心得〜

              

1.    集団指導者としての必修条件

子どもの手による子ども会をすすめるにあたっては、「ジュニア・リーダーが子どもたちといっしょに計画し、運営する子ども会」でなけれ ばいけない。
このため集団指導者は、子ども会に関する理論を十分に学んでおかなければならない。


2.ジュニア・リーダーの指導者像

@    子ども会のイン・リーダーや班長のよき相談相手として、グループ育成の初歩的な
   かかわりを持ち、会員の目標となるように学習を積極的に行う。

A    子どもの手による活動をすすめるためのプログラム作成に関わり、話し合いの適切
   な助言を行う。

B    子ども会活動を円滑にすすめるために、子ども会育成会との連絡・連携を図り、大
   人の願いを子ども会会員に伝え、プログラム立案の指導にあたる。

C    大人の集団指導者となるための、学習をすすめ専門性を高めていく。


3.集団指導者となるために

〜子ども会の意義と目的を学習・理解しよう。〜

(1)    子どもの理解

@    子どもの成長と発達

   子どもの発達の傾向をとらえる、幼児〜小学生〜中学生

A    子どもと遊び

   子どもにとって遊びがいかに重要な役割を果たしているかを考える。

   また、成長に伴っての遊び方、内容についても考える。


(2)    少年教育の意義

@    少年団体の意義と目的

   子ども会等少年団体のもつ人間形成、教育的意義、少年団体の使命について考え
   る。


(3)    集団の基礎理論

@    集団活動の意義

   集団から離れての人間形成はありえない。

   子ども会の集団活動の意義を考えることを通して、子ども会の重要性について考え

   る。

A    集団の構造と機能

   集団としての子ども会活動は、構造・機能面でどのような特徴があるか考える。


(4)    子ども会の組織と運営

@    子ども会の意義

   子ども会とは、どのような教育的意義をもっているか、子ども会は子どもの成長・発
   達にとってなぜ必要なのか。
   特に、子ども会は異年齢集団であり、学校や家庭では得られない貴重な体験の場で
   あること。

A    子ども会の組織

   子ども会の名前・目標・会員の対象・規模・役員・指導者・育成会など、組織として備
   えておかなければならない基本的なこと。  
   活動の単位、基礎グループの重要性について考える。

B    子ども会の運営と財政

   子ども会が自主的に運営され、子どもたちの主体性が尊重されるには、どのような
    配慮が必要だろうか。班活動、係活動について考える。 
    会の運営をどうしたら良いか、予算の組み方、経理のあり方について考える。  


(5)    子ども会活動のプログラム

@    プログラムの意義

   子ども会におけるプログラムとは何か。プログラムはなぜ必要なのか。
   プログラムの教育的意義について考える。

A    プログラムの企画・案・作成

   子どもたちの要求をとらえ、どうプログラムに反映させるか、子ども会活動にとって
   もっとも重要であるプログラムのあり方について考える。

B    プログラムの実際

   ひとり一人の子どもがどのような役割を担っているか、それが全体としてどのような
   意義があるか、具体的なプログラムを通して考える。

C    話し合い活動のすすめ方

   話し合い活動は、子ども会活動を活発にするために重要な活動である。話し合い活
   動の種類と活用法を知ることにより、効果的な子ども会活動を目指す。

(6)    指導者の役割と機能

@    指導者の種類と任務

   子ども会の指導者の種類と役割について考える。
   また、子ども会のイン・リーダーとしての会長・副会長・班長などの役割についても考
   え各指導者が協力しあって子ども会活動の活性化の方法を探る。

A    指導助言のあり方

   子ども会活動が自主的かつ創造的に行われるには、適切な指導・助言が必要であ
   る。そこで、指導助言の技術の向上を図る。


(7)    育成会の役割と機能

@    育成会の目的と性格

   子ども会育成会の目的と性格、役割について考える。


(8)    子ども会と安全

@    安全教育

   安全な活動ができることを第1に考えなければならない。
   そのためには、子ども会KYTを活用し安全能力の向上を図る。
   また、冒険には危険がつきまとうことを忘れずにその対策を考える。

A    安全の確保

   安全点検のあり方や潜在危険のチェックポイントのあり方を理解する。

B    事故への対応

   活動すれば事故は避けられない場合がある。そういった緊急時の判断や措置およ
   び救急法を理解する。
   また、安全会や保険による対応についても理解する。


(9)    子どもを取り巻く課題

@    子ども会と家庭

   子どもは家庭に所属し、家庭の一員として役割を果たしている。ところが家庭のもつ
   機能が弱まり、親の役割さえ果たせない親も少なくない。これらについて「子ども会を
   支えるのは家庭」を前提に考える。

A    子ども会と学校

   学校は、子どもにとって極めて重要な生活の場、学習の場である。子ども会と学校
   はどのような形で関わりを持ち、どのように提携して子どもの教育にあたったらよい
   か考える。
   また、部活、行事内容の調整など話し合いの必要なことも考える。

B    子ども会と地域社会

   地域と子ども会の結合が子ども会の大きな特徴である。地域の実態を知り、どう活
   用し、どう開発することが子ども会の発展に連なるかについて考える。


(10)子ども会活動の実技

@    スポーツ活動

   子ども会活動としてのスポーツのいくつかの種目について正しいルールを身につけ、
   指導方法を体得する。

A    野外活動

   子ども会活動に立つようできる野外活動として、キャンプ・ハイキング・オリエンテーリ
   ングなどの目的および教育的役割を理解する。
   また、実際に体験することを通じて計画の立て方、準備指導に不備がないように万
   全を期するためにどのようなことに注意したらよいか理解を深める。

B    レクリエーション活動

   人間の生活にとっていかに歌やリズムが大切であるかを考え、特に子ども会活動に
   おいて、人間関係や仲間意識を育てる上で、また、情操教育の面から見て欠かせな
   いものであることを知る。
   楽しい歌唱指導、フォークダンスなどの技術を習得させる。
   明るい雰囲気を作り、集団の意識を高め、強調、共同の態度を養う上でゲームがい
   かに大切であるか。子どもの前で自信をもって指導できるゲームを10種類は、いつ
   でも指導できるように、知識と技術を身につける。


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