子ども会の活性化を図る基礎

「子どもにとって魅力ある子ども会とはどの様な子ども会だろう」と考えてみたとき、それは子どもたちが自由に活動できて、「子ども会は自分たちのものだ」と実感できる組織であることだと思います。
そこで、子ども会を「自由な子どもたちの会」にするために地域の子ども会で取り組むべき幾つかのことについて考えて見ましょう。

 1.子ども会の名前

子ども会には、まず子どもたちが親しみやすい名前を付けることから取組んで見ましょう。行政区などの名前が多いようですが、子どもたちがみんなで考えて楽しそうな親しみのある名前をつけてみましょう。「自分たちの子ども会」の意識が高まります。

2.組織の確立

次に取り組まなければならないことは、大人主導でなく子どもたちの自主的な子ども会にするために、組織をしっかりと確立することであり、子ども会の会長、副会長、そして班組織と班長など、イン・リーダーの役割をはっきりと明確にすることです。

子 どもたちのリーダー会議の中で、会長・副会長・会計・新聞部長・体育部長・文化部長などの役割を決定します。この時弱い者いじめにならないように、各役割 の重要性を十分に子どもたちに説明し、本当にその役割にふさわしい人を選ぶように指導して、子どもたち自信ですべての役割を決めましょう。

   リーダーの役割が決まったら、子どもたち全員が集まっての班決めです。

  班は遊び仲間であること、そのためには気の合う同志で構成するのが理想的でしょう。事前にリーダー会議の話し合いの中で、仲間はずれの子を作らないこと、下級生だけの班や上級生だけの班にならないように指導し、イン・リーダーにすべてを任せてみることにしましょう。

   イン・リーダーたちは見事に班を結成、班長・副班長も自主的に決めることができると思います。もちろん遊び仲間であることを前提にしているため、理想は 男女同一班ですが、男女別々の班になることもあるかと思いますが、自主的な班活動を考えた場合、それでもよいでしょう。

班の名前も、親しみ安くアニメキャラクターなどの楽しい名前を自分たちで考えて見ましょう。遊び心いっぱいの班の名前になることでしょう。

これで、リーダーの役割と班が確立、組織の形が整ってきます。

これからは、この組織を生かしてどの様に活動するかがポイントです。

 

3.リーダー会議の定例化

月に1度は、定例リーダー会議を開くことにしましょう。

会議は、子どもたちの自主的な話し合いを主体とし、指導者は一歩下がって後ろから会議の模様を見て、必要なとき助言を与える程度の指導にして、子どもたちの自主的な話し合いを保障してあげること。

何でもリーダーたちが、自分たちで決めて自分たちで実行することが基本、指導者は「それはだめ」と絶対に言わないように心がけましょう。

さらに、リーダー会議で決まったことは、その日に係りを決めて新聞(チラシ)を書いて、各班長に配布し、班長は班の全員に配布するようにします。もちろん責任者は新聞部長。

これにより、リーダー会議で決まったことは、その日のうちに子ども会の全員に確実に周知することができるようになります。チラシを見ることで家庭でも子ども会の動きがよくわかります。

 

4.会計も子どもたちの手で

   子どものお小遣いと同じように、子ども会にも子どもたちが自由に使えるお金が必要です。

  班長は、各班員から毎月(50円程度)集めることにしましょう。お母さんが出してあげるのではなく、子どもたちが自分のお小遣いの中から出すように指導します。

    班長は、会計のところに持って行き、会計は会計簿に記入し預金します(または、指導者や親が現金は管理してあげても良いでしょう)もちろん指導者がと きどき会計簿を見てあげることが必要です。子どもたちが自分たちで自由に使えるお金を持つことで、楽しさが倍増します。

   この毎月の会費集めと新聞(チラシ)配りだけでも立派な班活動であり、班が子ども一人一人に意識され生きた組織として大きな役割を果たしていきます。

 

5.イン・リーダーの仕事を奪わないこと。

   指導者は、子ども会が集まるときは、子どもたちの前に立たないようにしましょう。

  指導者が、子どもたちの前に立つとリーダーの仕事を奪ってしまうことになるからです。

  そして、仕事を奪われたリーダーたちはやる気を無くしてしまうからです。

   イン・リーダーが自主的に進んで活動するためには、リーダーとしての権限と下級生に対するある程度の権威が必要です。

  子ども会のことについては、イン・リーダーが全てを決定する権限を与えましょう。

  リーダーたちが、できるだけ自分たちが楽しいことを考え実行することにします。

  あまり下級生のことばかり気にしていると、その活動がリーダーたちにとっては、あまりおもしろくないものになってしまう危険性があるからです。

   指導者はあくまで影の立役者、常にリーダーを前面に立て、信頼し任せること。

  リーダーを育てるためには、子ども会の活動全てについて指導者は一歩後ろで全体を見回しておくことにしましょう。

  しかし、子ども一人一人に目を向けて注意深く見ておく様に気をつけておくことが大切です。



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