子ども会における危機管理

T.危機管理(リスクマネージメント) とは何か

    子ども会における健康と安全の 確保は、子ども会活動支援の基本

安全とは   身体的な面・・・小さな傷は、経験しな ければいけない

       精神的な面・・・精神的 な傷も深いものになってはいけない。

       社会的な面・・・地域社 会との関係など。

 

1.子ども会における危機管理の考え方

   子どもから様々な体験の機会が奪 われている。

   基本的な身体の使い方、コミュニ ケーション能力、社会的適応力が育っていない。

   危機管理能力に問題が多く見受け られる。

   保護者の価値観の変化、小さな事 故が大きな訴訟問題に発展するケースもある。

 

2.リスクとハザードの違い

   リスク(RISK)・・・自ら挑 戦することでハザードを排除できたり、軽減できる危険

   ハザード(HAZARD)・・・ 見えない隠れた重大な事故につながる危険

                   (子どもは気がつかないので大人が管理)

   ※子ども会入会時にリスクについ て説明しておくこと!

 

U.子 ども会KYTはなぜ生まれたか

   1980年、子ども会にKYTを 導入

   1.KYTとは何か = 中央労働 災害防止協会「ゼロ災害提唱」のノウハウがヒント

   2.KYTが生まれた背景とは

   @尊い「犠牲」 = 1976年 8月、三重県津市におけるよつば子ども会ハイキング活動中の水死事故で

                                        管理責任が問題となった。

   A子どもの危険回避能力の低下  = 直接体験活動の減少

   B指導者・育成者の危機意識の欠 如 = 社会システムの大きな転換、隣近所地域社会の崩壊等

 

 V.子 ども会活動の危機予知ポイント

  1.事故発生とその要因を考える。

   @見える危険(環境要因) =  用具・場所など ・・・チェックそしてみんなで共有

A見えない危険(人的要因) = 資 質・行動など ・・・情報をもらう、アレルギー・アトピーなど

   B危険は隠れている 危険は動い ている = 動線・人間関係など

 

  2.大事故には予兆がある =  H・ハインリッヒの“1:29:300の法則”

    1の大事故(災害)、29の軽 い事故(事故)、300のヒヤリハット(予兆)

     ※人間は必ずミスをする   前提

 

W.活 動における危機回避の方法

  1.指導者としてするべきこと

   @アセスメント(事前調査)の重 要性 = 活動場所の実地踏査、指導者の力量・子どもや保護者の経験や力量を知る

   A事前・現場での情報共有の重要 性 = 指導者の役割分担の明確化、各種記録シートの用意・記入で記録を残す

   B万一の時に備える準備の重要性  = 自己発生時の救急体制の確立、傷害保険・損害賠償保険への加入

 

  2.子どもや保護者にしておくべき こと

   @子ども会への加入確認 = 保 護者への説明による契約(同意書)

   A子ども・保護者へのインフォー ムドコンセント = 活動の事前オリエンテーション

   Bジュニア・リーダー、子どもへ の安全教育活動 = イメージできない危険を回避することは不可能 ⇒ KYTの必要性

 

X.安 全教育のサイクル

   1.子ども会KYTを伝える = 学ぶことで町に広がる危機管理意識

   2.現場での活動を通して、危険予知能力を高める = 体験活動が学びを深める

   3.活動のふりかえり = 安全教育への意識の恒常化

 

       子どもにとって住みやすいまちづくりに繋がる

 

Y.5分間KYTを行う時の注意


活 動現場で活動の直前に短時間(必ず5分間ではないが10〜15分程度)で行うKYT

直 前に実施することで、参加者全員が問題点を共有することができる。いまからはじめる活動での危機管理への意識作りである。

  また、参加型プログラムであり、指導者とのやり取りが重要で確認したことは、絶対に守らせること!

   こんな場面での注意点

    @集合場所が坂の場合

      指導者が坂の下側で子どもたちは、座らせる

    A明るい太陽光のある時

      指導者が太陽に向かって立つ、子どもたちは太陽を背にする位置

    B他のグループや子どもたちが遊んだり、活動している場所

      遊んだり、活動している場面を背にして子どもたちを立たせる。他の子どもたちが目にはいらないようにする。

    C強い風が吹いている時

      指導者は、風に向かって立つ。子どもたちは風を背にする位置

 

1. 教えてやる指導者がKYTシートのシーンについてしっかり学習しておくこと!

2. やり方を間違いなく進めること。(正確な手順)

   地域の大人に向けてKYTを広めていくこと!・・・安心な町つくりに繋がる。




子ども会と安全へ